留学のお世話をして30年近く立ちました。
たくさんの日本人の留学生を送り出し、たくさんの外国の留学生を迎え入れました。
留学会社や旅行会社で直接カウンセリングをしたり、留学を支えるNPO法人で「留学カウンセリング」担当者のためのサポート作りをしたりしてきました。
そんな私が何故バリアフリーの専門家をさせていただいているのでしょうか?
それは、留学と「介護・介助」とはとてもよく似ていると感じたからです。
「慎重な準備」ももちろんですが、そこで強く感じたキーワードは「異文化共生」という言葉です。
高齢者の方も、障害をもたれる方も多くの方は、最初は普通の暮らしをされていたことでしょう。元気に友達と旅行して、美味しいものを食べ歩いたり、映画や観劇に行ったりしていたでしょう。
そんな“自分”が一人で普段の生活ができず、サポートが必要になる生活をしなければならなくなってしまった。
これは自分にとっては一種の「違う空間=異文化体験」です。
最近、私は不注意から右足のアキレス腱を断絶してしまい、1ヶ月ほど入院生活と車いす生活を余儀なくされました。手術当初は痛みもあり「病人」でしたが、治るにつれ、右足以外元気なのに「車いす」や看護士さん介助が必要となりました。
そこで痛烈に感じたのは「ハンディキャップであることの遠慮」という感情です。
おそらく、ハンディキャップの方は、そんな「遠慮」をいっぱい重ねて暮らしているのでしょう。これは「言葉が通じないからなかなか人に聞けない。我慢しよう。」という留学生活にありがちな光景と一緒です。
私はこの体験を胸に、「留学」と「バリアフリー」のお手伝いを続けてゆきます。