1. ホーム
  2. コンシェルジュブログ
  3. 山から考える。「観光とキャリングキャパシティ」PART2

コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 細谷 健一
【2006年5月2日[Tue]】

山から考える。「観光とキャリングキャパシティ」PART2


さて、『キャリングキャパシティ』ってなんだ?という方はこちらをご覧下さい。
あまり参考にならないかもしれませんが…

先日、スポーツメーカーのアシックスが企画する登山イベントの連絡があった。アシックスアウトドア事業部では、登山家の重広恒夫氏が中心になって毎年何かしらテーマを決め、日本百名山が中心の登山イベントを開催している。しかし今年の企画はいつもと違うようだ。百名山といわれる登山愛好家に人気の山々が予定に入っていなく、それ以外の全国に点在する4000もの山々を踏破するというものだ。僕は、これは面白い企画だ!と思い、その意図を聞いてみた。

null
昨年、日本最古の山岳会である日本山岳会が創立100周年を迎えたのを記念して、「新日本山岳誌」を発刊した。この本には「百名山」はもとより、日本全国に点在する山々の約4000が網羅されている。
今回のイベントで「4000山踏破」というテーマを掲げるのは、山岳立国日本の全国に点在する山のスケールを認識してもらうことにより、ここ十数年名山に集中しすぎて環境破壊の要因となっている登山者の分散化を計り、一極集中により大きなダメージを受けた自然環境のすみやかな回復を計るものであるという。

国内の登山現状をよく認識しておられ、その第一線で活躍されている方の意見もあるとはいえ、大手スポーツメーカーがこのような企画をすることは、『観光におけるキャリングキャパシティ』の必要性を考えている僕にとっては歓迎すべき内容である。まだまだ小さな動きではあるが、企業がこうした理念の下動き出したことにとても大きな意味があると思う。

前回に続き今回も山の話しになったが、一極集中により大きなダメージを受けるのは一般の観光地(特に世界遺産登録地や特異な生態系をもつ観光地など)も同じであろう。観光産業は地元経済にとって大切であるが、自然景観がセールスポイントの観光自らがその自然を破壊してしまっては本末転倒である。自然環境の保護と経済のバランスの取れた持続可能な観光のあり方を今、考える必要があるのではないだろうか。

さて、ここでエコトラベラーお勧めのイベントをご紹介。興味のある方はどうぞ。
----------------------------------------------------------------
エコツアーの魅力や楽しみ方、考え方、などを紹介するフォーラムが下記の日程で開催されます。エコツアーの現場で活躍するゲストスピーカーを通して、直球アプローチだけでなく、商品開発、スローライフ、企業のCSRなどエコツーリズムへの変化球的アプローチも含めた幅広い切り口ですすめていきます。エコツアーにまだ参加したことのない方、新たな魅力を発見したい方、どなたでもお楽しみいただけます。

第1回 5/10(水) 「旅が大好き!エコツーリズム仕掛け人の地球の愛し方」
広瀬 敏通氏(ホールアース自然学校代表)

第2回 6/14(水) 「冒険家が語るエコツアー」
辰野 勇(株式会社モンベル代表)

第3回 7/12(水) 「野生動物とふれあう旅」
小林 毅 (株式会社 自然教育研究センター)

【会場】 モンベル渋谷店(東急ハンズ向い)
【時間】 18:30~20:00 (開場18:00)
【参加費】 1,000円(資料代、飲み物代込み)
【お申込み】 モンベル渋谷店 TEL:03-5784-4005
【主催】 NPO法人日本エコツーリズム協会TEL:03-5437-3080 
このページのトップへ