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コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 小関 智子
【2006年7月3日[Mon]】

イタリアでの最高のおもてなし“Grigliata(グリリアータ)” ~グルメ編~

先日、「我が家のジャルディーノ(庭)で、グリリアータをします。是非お越し下さい。」と、ある知人家族よりお招きをいただいた。この“Grigliata(グリリアータ)”、そのままローマ字読みすれば、グリグリアタ・・以前に日本の友人が来たときに、「グリグリとか言う、たいそう有名で美味しいものがイタリアにあるらしいけど、是非それを食べに行きたい!」と言われ、「えっ、グリグリ?なにそれ?え~知らないよ~」「イタリアに住んでいるくせに知らないはずはない!」などと、すったもんだがあり、結局それが「グリリアータ」のことだと判明して、大笑いになったことがある。確かにそう読める。それ以来、私の中では、日本名はグリグリとなっている。そして、そのグリグリ、要はバーベキュー(BBQ)のことなのだ。
さて、話はそれたが、このグリリアータ。その友人が言ったように、イタリア人なら皆大好きで、もちろんすごく美味しくて、いろんなシチュエーションで楽しむ料理である。そして、そのシチュエーションの中でも、“自宅の庭でグリリアータを楽しむ”というのは、最高の部類に入るであろう。ボローニャも中世の頃よりずっと住宅難、土地不足という問題を抱えている。その対策にひとつに、柱廊(ポルティコ)が作られたものである。そんな環境の中、ボローニャでも、なかなか庭付きの家を持つのは難しい。金銭面はもちろんそういう物件は自体がまず無いのである。“自宅の庭でグリリアータを楽しむ”のは、イタリアの都会に住むものにとってはなかなかの夢である。
初めて、その方のご自宅に訪れた。さすが、「我が家のジャルディーノ(庭)で、グリリアータをします。」と言って呼んでくださるだけあり、日本の雑誌にでも出てきそうな素敵なお庭には、しっかりグリリアータ用のオーブンが設置してある。

まずは、アペリティーヴォ(食前酒)から召し上がれ!と、そこには冷えたスプマンテ、そしてモルタデッラと呼ばれるボローニャ名産のハムで作られた、見た目にも美しいムース。これを、お手製のパンに塗っていただく。メインのグリリアータに行く前に、おいしくて食べ過ぎてしまう・・・ゲストがアンティパスト(前菜)をつまみに、おしゃべりに花を咲かせている間に、ホストであるこの家のご主人は、午後8時というまだ暑い時間の中、オーブンの前に張り付き、丁寧に、そして根気強く、注意深く一生懸命お肉を焼いている。

たかがBBQ、お肉さえ焼けばいいじゃないか、ほっておいても焼ける、なんていうのは間違いである。やはり、手を掛け、目を離さず、ゲストのために一生懸命になって、最高の状態で食べてもらおうとじっくりと焼いてくれるお肉は、最高に美味しい!!しかも、数を焼くのは、その下ごしらえから初めて、ホストにとっては大変な重労働のはずだ。そして、肉の種類によって微妙に焼き加減を変える。でも、そうやって食べるグリリアータの最高の味を知っているから、ホストも手を抜かずに一生懸命やってくれるのである。

お肉と言っても、ポッロ(鶏)、コニーリオ(うさぎ=日本のペットのあの白うさぎではありません)、そしてマイアーレ(豚)、スペアリブ・・・いろんな種類がでてくるのである。どれも、これも美味しい、この美味しさは一体なんなんだろう!味付けはない、塩・コショウのみ。でも、やはりホストの気持ちが味付けになっているのだろう。そして、赤ワインがまた、その味わいを相乗効果で最高のものにしてくれる。

開放感のあるジャルディーノで、楽しくおしゃべりをしながら、美味しいワインと楽しむグリリアータ。これって、イタリアでの最高のおもてなしなのではないだろうか?ふと気が付けば、時計はなんと午前1時を回っていた。あまりに美味しく、あまりに楽しいグリリアータの夕べであった。

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