学生のころから、日本でイタリア人旅行者を案内し、イタリアに住むようになってからは日本人の方をご案内する機会に恵まれていました。大学で建築を学び、大学院で都市形成史を研究したこの私が、旅行の仕事をするようになったのは、ごく自然の流れといえましょう。1993年にイタリアを初めて訪れたときの、強烈な印象。あの旅がなかったならば、今の私はないわけで、そう思うと、人生を変える旅というのは本当にある・・・!自分のことなのですが、まるで他人ごとのように驚いてしまいます。私にイタリアへの扉を開けてくれた人は、有能な若き美術史家でした。今の私には、それができると思うのです。私が推進するのは、イタリアを拠点とした 「Turismo Culturale (トゥリズモ・クルトゥラーレ)=文化旅行事業」。日本では馴染みが薄い考え方かも知れませんが、ここイタリアでは、知識層が主導となって、文化教養の面から旅行業に積極的に取り組んでいます。これまでに培った体系的な知識や経験を十分に生かすことができると信じています。また同時に、私の夫の出身地、北アフリカのモロッコにも力を入れます。彼はサッカー界でのキャリアがあり、もとナショナルチームの選手。マラケシュのクラブチームではトルシエ監督の指揮下でプレー。そんな縁もありイタリアのセリエAを中心に、ヨーロッパサッカーという切り口でも旅行づくりに励んでいます。
こだわりの旅「
イタリア建築紀行」の編集長です。