【熊本城：国指定特別史跡】
日本三名城のひとつといわれる熊本城は「築城の名人」加藤清正によって、慶長6(1601)年から7年の歳月をかけて築城されました。
加藤氏が改易された後は、細川氏が入城、明治維新を迎えました。天守は明治10(1877)年の西南戦争で焼失、昭和35(1960)年に外観を忠実に復元して再建されています。
平成28年、熊本地震によって甚大な被害を受けましたが、復興への道を着々と歩み続けています。復旧工事中のため立入り規制が行われていますが、二の丸広場や加藤神社、その周辺から大小天守の雄姿を見ることができるほか、復旧の進捗に応じた特別公開が実施されています。

【福岡城：国指定史跡】
黒田藩52万石の居城。城は47の櫓を有する九州最大級の巨城でした。明治時代末まで城内には多くの櫓や門が残されていましたが、移築されたり取り壊されたりしてしまい、当時の姿を残すのは南二の丸の多門櫓などごくわずかですが、下之橋御門と伝潮見櫓が復元されています。城跡は舞鶴公園として整備され、桜の名所となっています。園内には平安時代の迎賓館であった鴻臚館跡の遺構があります。また天守台からは福岡タワーをはじめ福岡の街を一望することができます。
隣接する大濠公園は、福岡城の外濠を活用した水と緑に囲まれた福岡市民の憩いの場となっています。

【名護屋城：国指定特別史跡】
名護屋城は豊臣秀吉の朝鮮出兵（文禄・慶長の役）に際して、出兵拠点として築かれた城です。文禄元(1592)年の開戦から秀吉の死で諸大名が 撤退するまで、7年の間大陸侵攻の拠点となりました。
城の面積は約17ヘクタールにおよび、当時では大坂城に次ぐ規模を誇りました。城は金箔瓦が輝く五層七階の天守閣を中心に、数多くの殿舎や櫓が築かれました。周囲には130以上に上る諸大名の陣屋が構築され、全国から20万人を超える人々が集ったとされています。
現在、名護屋城跡と23箇所の陣跡が国の特別史跡に指定されています。

【秋月城下町：国指定重要伝統的建造物保存地区】
「筑前の小京都」と呼ばれる秋月。建仁3(1203)年に秋月種雄がこの地に配されて以来、秋月種実が豊臣秀吉によって、日向国高鍋に移封されるまで秋月氏16代の本拠地でした。寛永元(1624)年、福岡藩主黒田長政の三男長興が秋月藩5万石を分知されて藩主となり、城下町の町割りを行いました。明治9(1876)年には明治政府に対する不平士族の反乱「秋月の乱」の舞台になりました。現在も武家屋敷などが残されていて、端正で歴史的な町並みをとどめています。