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コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 山岸 玲子
【2019年1月3日[Thu]】 海外

世界遺産!ギリシャ式神殿の遺跡パエストゥム

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南イタリアのナポリやサレルノ近郊に、パエストゥム(又はペストゥム)Paestum という小さな町があります。

ギリシャから地理的に近い南イタリアやシチリア島には、かつてギリシャの植民地だった都市がいくつかあります。シチリア島のアグリジェントや、今回ご紹介のパエストゥムはその代表的な都市で、両都市とも大変保存状態の良いギリシャ式神殿が残されており、いずれも世界遺産に指定されています。

パエストゥム(ペストゥム)の町は紀元前6世紀初頭に建てられ、古代ギリシャの植民地時代は海の神ポセイドンの町を意味するポセイドニアと呼ばれていました。その後、紀元前237年に古代ローマに支配されると、それが訛ってパエストゥム(又はペストゥム)と呼ばれるようになりました。

パエストゥムの神殿遺跡のサイト(英語)
https://www.museopaestum.beniculturali.it/?lang=en

遺跡は約4.5㎞に渡る城壁に囲まれ、バジリカ Basilica、ネプチューン(ポセイドン)神殿 Tempio di Nettuno、ケレス神殿 Tempio di Cerere(又はアテネ神殿)の3つの神殿が残されています。

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バジリカはパエストゥムの都市建造当時に建てられた最も古い神殿で、ギリシャのアテネにあるパルテノン神殿より100年も前に造られたものです。

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冒頭の写真はネプチューン神殿で、他の神殿と比べて一番本来の姿に近い形で残されています。ケレス神殿は、知の女神アテナを祀るために建てられた神殿です。

どの神殿も外観だけではなく、内部に入って見学することができます。2000年以上も前の人々が、この神殿に出入りしていたかと思うと感慨深いものがあります。

遺跡のすぐ近くには国立考古学博物館 Museo Archeologico Nazionale があり、遺跡から出土された先史時代からの発掘品が展示されています。

パエストゥム国立考古学博物館のサイト(英語)
https://www.museopaestum.beniculturali.it/il-museo/?lang=en

その展示品の中でも必見は古代ギリシャ時代のフレスコ画で、中でも飛び込む男が描かれた「ダイバーの墓 Tomba del Tuffatore」が有名です。これは黄泉の国に向かって飛び込んでいると言われています。上記のサイトの上部真ん中にあるロゴにも、飛び込み男がモチーフとして入っています。

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このフレスコ画は紀元前480年頃の石棺の上に描かれたもので、棺の側面には宴会の様子を描いたフレスコ画があります。このフレスコ画にあるように、当時の食事は椅子に座るのではなく、長椅子のようなものに横になって飲み食いをしていました。

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パエストゥム(ペストゥム)への行き方ですが、乗り換えなしのローカル列車でナポリから約1時間20分、サレルノから約30分です。パエストゥム駅から神殿の遺跡へは、駅を背にして800mほど真っすぐ行くと遺跡が見えてきます。

パエストゥム駅は無人駅なので、列車のチケットはナポリやサレルノで予め往復分買っておくことをおすすめします。(駅には券売機がありますが故障している場合も。)

本場ギリシャより古い神殿を見ることができるパエストゥムは、添乗員付パックツアーでは行かない穴場の観光地と言えるでしょう。ナポリやサレルノからの日帰り観光におすすめです。
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