1. ホーム
  2. コンシェルジュブログ
  3. 秋と初冬のピンク色

コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 中島 美弥子
【2007年11月9日[Fri]】

秋と初冬のピンク色

黄金色に変わった葉が急いで地に帰ろうとする11月はじめ。
灰色の空が続き 冷たい雨、風の日が多くなり
ここドイツでは、秋から冬へ駆け足をはじめる。
11月末 クリスマス市がスタートすれば、華やかな雰囲気に心踊るけれど
それまでの空白の1か月、毎年どうも気持も塞ぎがち。

そんな時期、心をなごませてくれる色がある。
ピンク色。
ピンクといえば、春の色。
春先に身につけるピンク色の洋服や、小物や口紅は、
身につけるだけで元気づけてくれるが
秋ともなるとそんな春の色より、
ドイツでも、枯葉の黄色や かぼちゃのオレンジ、
落ち着いた茶系が主役に変わる。

日本では秋の代表的なピンクの花、コスモスはこちらではみかけないし、
コスモスを思い浮かべると
昔の山口百恵さんのヒット曲、秋桜(コスモス)を思い出し (←古い、、)
涙がでそうなくらい、つい淋しくなる。

でもドイツの秋でもピンク色がお目にかかれる。秋らしく落ち着いたシックな濃いピンク。赤紫といった方がいいのだろうか。

名前は、 エリカ。 (英語=ヒース)
ハイデとも呼ばれる ツツジ科の花。
600種類以上にも及ぶらしい。
20cm程度の高さに、小さな濃いピンク色の粒のような花をびっしりと
身につけ、それはそれは かわいらしく、可憐で
見ているだけで優しくなれる。
9月〜12月 花屋さんの店頭に並び 、
私も1鉢だけでは少し淋しいので、いつも6〜10鉢購入。
ドイツ人にもとても愛され、玄関先や庭、ベランダに必ずと
いって言い程この時期、エリカの寄せ植えが飾られている。
種類にもよるが、耐寒性も有り、ドイツの寒さ厳しい屋外でも
時には雪に埋もれながらも一生懸命小さ花を咲かせる姿は、
元気を与えてくれる。

北ドイツには、エリカ街道と名ずけられた観光ルートがある。
ハンブルグ周辺 ブレーメンから南へ延びるハノーバーまで300キロ
北ドイツの10都市を結ぶルート。
毎年8末〜9月にかけて街道沿いの高原をエリカが咲きみだれ
赤紫色に染まることから、名付けられた。
まるでピンクの絨毯がひきつめられたよう。
高原 (といっても平地) リューネブルガー・ハイデは自然保護地区、
車の乗り入れが禁止されているので、馬車で2時間程 エリカ群生を堪能、
また散策も楽しめるし 自転車のレンタルもある。
日本人に有名なロマンチック街道より、ドイツ人にとっては知名度が高い
といっても過言ではないだろう。

*ロマンチック街道も行った、
*ビールもたくさん飲んだ、
*歴史の舞台、芸術も堪能できる大都市ベルリンにも行った、、

そんなドイツリピータの方に 8月末〜9月のエリカ街道はお勧め。
街道沿いの中世に栄えたハンザ同盟の加盟都市からは、当時の繁栄ぶりを
感じることができ、一味違ったドイツを堪能できとても興味深い。
エリカシーズン中は大混雑するので、ご予約手配は是非お早めに!!

もう一つ忘れてはならないピンク色がある。
日本でもお馴染み、シクラメン。
必ず購入してしまう大好きな花だ。
料金も2から5ユーロ (300円〜800円)程度と手頃。
ドイツ語では、 Alpenveilchen (アルペンファイルヒェン)という。
なかなかこのドイツ語が覚えられなかったけれど、毎年購入しているうちにやっと、言えるようになった。
「アルプスのすみれ」 という意味。
とっても愛らしい名前だと思う。

晩秋、冬場の花の少ない時期に このエリカやシクラメンといった
色鮮やかな花はとっても貴重で、心を彩どり、温めてくれる。
昔から、いつか女の子のママになったら、娘には、
エリカちゃんとか、すみれちゃんとか、、
絶対好きな花の名前をつけようと思っていたのに
それは夢叶わず、、残念!
その分毎年、エリカやシクラメンを大事に育てている。

皆様は、秋、冬、何色で飾りますか?


このページのトップへ