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コンシェルジュブログ

コンシェルジュ : 谷口 洋子
【2006年4月3日[Mon]】

緑のウンブリア州、スローフード農園へ!

春爛漫、澄み渡った青空の下、イタリア・ウンブリア州北部に
広がるトラジメーノ湖を見下ろす高台へ。ここにはイタリア
スローフード協会から<プレシーディオ>品種に認定された
さやいんげん豆を栽培するフラビオ・オルシーニ農場がある。

スローフード、そして<プレシーディオ>とは、
1)良質で、2)その土地の環境に適した動植物種または
その土地の伝統的製法によって加工され、3)小さなまたは
限られた生産者が、4)現在消滅の危機にあるものを
5)地理的にも歴史的にも特定の地域で作る農作物 
を守ろうという趣旨で生まれた<味の箱舟>プロジェクト。
その中でも、特に力を入れるべき食品をプレシーディオと呼称、
具体的には会員に補助金を助成したり、棚田オーナー制度の
ようなものを作ったり、販売を支援すると同時に地域の農業や
漁業、環境や文化の再生を促すことを運動の一環としている。

ここ、オルシーニ農場をはじめ、トラジメーノ湖付近一帯で
採れるこのさやいんげん(イタリア名:ファジョリーナ・デイ・
ラーゴ・トラジメーノ)、米粒に似た小さな白い豆が特長。
長期間で骨の折れるこの豆栽培は、現在もなお種まきから
収穫、脱穀に至るまですべて手作業で行われている。
実を結んでから数週間にわたって段階的に収穫され、
レンガ造りの乾燥場で干し、鍬や熊手で打ち、その後ふるい
にかけて豆を選別後袋詰めされる。250グラムで750円
が表示価格だが、あのミラノのスカラ座内レストランの
メニューにも使われるこの豆、北部へ到着するころには
何倍にも価格が跳ね上がる。

家庭料理としての調理はいたって簡単で田舎風。
皮のない豆なので前もって水で戻す必要もなく、
30分の下茹での後20分の塩茹で、その後
新鮮なヴァージンオリーブオイルをたらして
あつあつのうちにいただく。
豆そのものの味がぎゅっと凝縮して感じられて美味しい!

オルシーニ農園では、この豆栽培のみならず、
これもスローフード<プレシーディオ>に認定されている
品種豚、チンタ・セネーゼを飼育している。トスカーナ州
シエナ地方原産の胴回りに白い帯(チンタ)があることから
この名があるこちらの黒豚、野生または半野生で飼育され
赤身と脂身部分がくっきりと分裂しているのが特長で、
ハム・サラミ・ベーコン加工にはまさに理想的である。

ほんの数日前、ちょうど16匹の子豚たちが産まれたばかりで、
母豚の後を追ってとことこと彼方から走ってくるのが
本当に愛くるしかった!

ここでは、この子豚たちの将来をあまり考えないでおこう・・・。


♪ フラビオ・オルシーニ 農園
♪ Localita' San Donato 34 
♪ Passignano Sul Trasimeno (Perugia)
 


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