近年、韓国中西部・公州市で、4世紀前半から660年まで存続した国、百済第25代の王・武寧王と王妃の棺および多くの副葬品が発見されました。
夫妻の棺には日本特産の「高野槙（コウヤマキ）」が使われ、あらためて百済と古代日本の深い繋がりも証明されました。
白村江の戦いで新羅と唐の連合軍に敗れて滅亡した百済ですが、1500年の時を経て再びスポットライトがあたり始めています。
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ユネスコ世界遺産
麻谷寺「マゴッサ」
山寺と呼ぶにはあまりにも壮大な麻谷寺。
韓国では「マゴッサ」と呼ばれ、公州の山奥にもかかわらず多くの方々が参拝に訪れます。
その歴史は古く、百済時代（640年）に新羅の善徳女王から土地の寄進を受けて創建されました。
豊臣秀吉による朝鮮出兵で、そのほとんどが焼失したものの1651年に再建。
2018年にユネスコ世界遺産に登録された７つの「山寺 韓国の山地僧院」のひとつです。
日本に比べてユニークな表情の金剛力士像や、四季折々の景色を楽しみながら、境内をゆっくり散策。
境内の宿坊に宿泊できる「テンプルスティ」は欧米の旅行者にも人気があり、一度試してみるのも面白いかもしれません。
白村江と2つの国立博物館
よみがえる百済の宝物
日本では「白村江の戦い」で記憶に残っている方も多い「百済と倭の連合軍」VS「新羅・唐の連合軍」の戦いは、扶余西部を流れる白馬江の河口「白村江」で起こりました。
結果、百済と倭は大敗、城や町が徹底的に焼き尽くされましたが、その百済の人々が逃げるさなかに隠した宝物や仏像が近年発見され、国立扶余博物館に展示されています。
「金銅大香炉」や「金銅観音菩薩立像」など、その高度な技術と芸術性には目を見張るものがあります。
また、国立公州博物館には、ほぼ完全な状態で発見された武寧王と王妃の黄金の副葬品があり、この２つの博物館を見るだけでも、この地を訪れる価値があります。
古都 扶余（プヨ）
百済王朝、最後の都を歩く
扶余の町を２～３時間歩くだけで、妙な懐かしさを覚えます。
歴史ある古都独特の落ち着いた空気と、穏やかな雰囲気を持つこの地域の人々が少し日本と似た感じがするからでしょうか。
早朝、青々とした芝生の官北里遺跡を散歩した後は、すぐそばのソルロンタンのお店でスープとごはんの朝食。
そして近くの伝統市場をのぞいてから博物館巡りをする。
そんな1日を過ごしているとじっくり腰をすえて滞在したくなってくるのです。
ソウルとはまた違った古都滞在型の旅をプランニング＆ご提案させていただきます。
韓国ではどちらかというと‶勝ち組″新羅の陰に隠れている百済ですが、日本では百済びいきの方も多いような気がします。私もそんな百済の魅力に取り憑かれた一人です。見れば見るほど、知れば知るほど驚くことの多い百済の旅。よく知っている方も、そうではない方も、ぜひ訪れてみてください。そして韓国を旅した後は、日本の百済の史跡にも目を向けてみてください。きっと1500年前の「何か」を感じていただけることと思います。
ある夜、扶余に住む老人が百済で戦った将軍の夢をみました。その将軍はとても辛そうな表情をしており、その話を聞いた地域の住民たちが将軍の霊を慰めようと始めた祀りが70年近く続く「大百済典」のルーツと言われています。2010年には日本をはじめとし・・・
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